【書評】思考の整理学/著 外山滋比古|忘却力は創造性を育む

忘却力という言葉をご存知でしょうか?
これは記憶力と対になっている言葉です。

「忘却力」ってまるで忘れることに、メリットがあるような言葉があります。
でも普通、「忘れる」というのは、ろくなでもないイメージですよね。

たとえば、受験勉強がいい例でしょう。
無限に記憶さえできれば、どんなに楽なことでしょうか。
ドラえもんの暗記パンがあればいいのにと、自分の記憶力を恨んでテスト前に現実逃避しのは僕だけではないはず。

これが頭にひっかかりまして、忘却力について調べてみました。

そしたら、外山滋比古(とやましげひこ)さん思考の整理学に出会ったわけです。
じつは、忘却って創造性を発揮するのに重要なんです。

忘却の効能について、よくまとまっていて、1983年に書かれた本とは思えないほど現在でも使える知識が書かれていました。
これで500円は安すぎるw

ぼくは耳のスキマ時間を活用したいので、オーディオブック版を購入しましたけど、
Kindle版もリリースされていました。

忘却力を味方につけて、創造力を発揮したい方にオススメの本です。

【書評】思考の整理学/著 外山滋比古|忘却力は創造性を育む

著者の外山滋比古さんは、英文学が専門の大学教授 御年94歳!

著者の富山重彦さんは、お茶の水女子大学の名誉教授で、専門は英文学です。
1923年度生まれで2018年現在で、御年94歳。写真を見ると元気そうです。

思考の生理学自体は1983年に書かれているため、35年前の本なのですが、まだまだ現役。
今朝はコンピューターが普及してきた35年前に、知的な生産が重要だというメッセージを送っています。

思考の整理学の構成

既存の学校教育では、人の教えを忠実に再現することができるグライダー型人間作っていると、著者は説明ます。
しかし現在に求められているのは、自分の意思で考えて好きな方向へ飛んでいける、エンジンを積んだ飛行機型人間だと述べるのです。

その中で人間の脳をうまく活用する方法を、自分の経験からくる深い洞察と、抽象化して古典と結びつけることで、論拠を強くして説明しています。

含蓄のある文章ですが、どこかユーモアある比喩表現が軽快なリズムを作って耳に入ってきます。
とくに、お酒のメタファーが多くてお酒好きの方なんだなぁとよく伝わってきましたw

思考の整理学は、現在でも読み次がれている時の試練に耐えた名作です。
でてくる名詞をもの変えるだけで、いまでも充分通用するものです。
たとえば、「コンピューター」を「AI」に脳内変換して聞くだけで、創造性の重要性が増していることがわかります。

負の感情の忘却は、試行回数を増やせる

「小利口より、バカの方が成功する。」というのはホリエモンの言葉ですが、それは過去に引きずられずに、試行回数を増やせるからです。

余談ですが他動力も漫画化されていて、こちらもオススメ。無人島とか設定がぶっ飛んでいますw

簡単なロジックで、成功するまでチャレンジすれば、必ず成功します。

このバカって、忘却力が強い方なのだと思うのです。
失敗は人間を凹まして、感情を停滞させますけど、寝てさっぱり気持ちを整理できる忘却力の強いタイプは試行回数を増やせます。

忘却力は、知識に縛られない行動力になるのです。

自分の気持ちを紙やスマホに残しておくことで、自分をカスタマイズできる

忘れるということは、最初に頂いた気持ちも消えてしまう。

年初に立てたダイエット計画は、年末には無残に破綻しているものですが、紙の力を借りれば案外効果は続きます。
これって忘却の作用を、紙一枚でつなぎとめているわけです。

忘却は容赦なく必要のないものを波のようにさらっていきますが、現実に残しておくことで
嫌な感情は忘れ去って、本当に自分が欲しがっている意思を残して自分をカスタマイズすることができるのです。

つまり自分の思考でおもしろいものをメモしたり、意思を吐きして自分を見失わない日記を書けばいい。

僕は、本を読んで書評に書きたくなったことは、iPhoneのメモに残してiCloudで共有してパソコンでまとめています。
将来の野望については、だれにも見られないスマホの奥底に2重にロックを掛けて、ツラツラと毎日書いています。これが、忘却力の強い僕の僕に対する操縦法です。

アイデアの忘却することで、生木を材木に変える

端から湧いてくるアイデアは、その時は輝いていますが、時間後おいて後で見てみると全然面白くないことってあります。脈絡のない情報のカスのようなものです。

でも、いくつか残していると10本に1本は心に響くような琴線に触れるようないい言葉が書かれていたりします。

俺やるじゃんみたいなw

これって忘却を通して、頭の整理が無意識に進んで時の試練を自分の中でしてくれたということです。
家を建てる時、大工さんは切りたての生でなくて、寝かした材木を使って家を建てます。新しい木は水分が抜けておらず、そのまま使ってしまうと曲がってしまうからです。

文章や思考も同じで、熟成をせずにそのまま使ってしまうと簡単に破綻してしまう言葉が出来上がります。
スピード感や新鮮さが売りの状況でない限りは忘却を味方にして息の長い観念を使ったほうが、長い年月愛されるものでしょう。

まとめ

1番の収穫は忘れるってことは、負い目を感じなくて済むようになりました。

忘却力は、記憶力と対になる概念で味方にすると創造性を豊かにしてくれるものです。
記憶力は、受験勉強など暗記科目が有利な状況では必要ですが、スマホが普及した現代ではわからないことはGoogle先生に尋ねれば大抵のことは解決します。
ましてや、AIの発達によって、記憶力を強く使う必要はなくなってくるでしょう。

重要なのは、問題設定や既存の知識の組み合わせなど創造力を必要とすることで、忘却力です。
忘却は頭の中を整理してくれ、関連付けを行い、人工的な時の試練となってくれます。必要な事柄だけは、日記やメモに残しておけば、自分のカスタマイズまでできるのです。

 

 

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