筋肉には大きく分けて2種類の筋繊維があります。赤筋線維と白筋線維です。
これは筋肉の見た色での分類です。
筋線維の色は中にミオグロビンなど、酸素の代謝に必要なタンパク質が含まれている量で決まります。
赤筋はいっぱい含んでいて、白筋は少ないのです。
赤筋は遅筋とも言われ、持久力が高くてマラソンのような持久力を求められる運動に向いてます。
これに対して白筋は速筋とも言われ、100m走など瞬間的な運動に向いています。
赤筋と白筋、遅筋と速筋について
筋肉のなかの赤筋と白筋の割合は、基本的には50:50です。
なので筋肉はどれも赤と白がたされて、ピンク色に見えるわけです。
ただし、いくつか例外もあります。
①部位による違い
同じ筋肉であっても身体のなかで役割が違います。
このため遅筋と速筋どちらかに偏った方が人間の活動に有利になるなら、偏った構成になります。
具体的には身体を支える筋肉と動かす筋肉のち外ですね。
たとえばふくらはぎの筋肉。ヒラメ筋と腓腹筋。
ヒラメ筋は立てっているときに、身体を支えるためにずーと微妙に力が入っていますから、持久力が大事です。
このためヒラメ筋は遅筋が多くて、真っ赤な色をしています。
これに対して腓腹筋はジャンプなど瞬発的な力に使われるので、白身がかった色をしています。
②遺伝による違い
遺伝によって赤筋線維と白筋線維の多さに違いが見られます。
たとえばランナーとスプリンターの優秀なヒトを比べてみると、前者は赤筋線維が多く後者は白筋繊維が多いことがわかっています。
筋肉から考えると、生まれつき得意なスポーツが決まっているわけです。これはどうやら子供の頃は差がみられなくて、成長期あたりで変化がみられるようです。
高校生までなると自分が持久走が得意なのか、100mが早いのか分かってきますよね。
筋肥大は速筋線維で起こる
マラソンランナーとアメフト選手のからだを比べるとわかりますが、運動の種類によって筋肉の大きさは変わってきます。
前者が持久力が重視なのに対して、後者はポジションにもよりますが瞬発的な力を求められるスポーツです。
ここからもわかるように、筋肥大を起こして、太くなりやすいのは速筋繊維なのです。
なので効率的に速筋繊維を鍛えるのが効率的におおきな筋肉をつくるポイントになります。
サイズの原理を活用しよう
どうすれば速筋線維は働いてくれるのでしょうか?それはサイズの原理を覚える必要があります。
サイズの原理とは。筋肉は小さな運動単位から使われる。大きな運動単位はあとから参加する。という原理です。
さっぱり意味がわかりませんね(笑
運動単位とは運動神経が筋肉を支配している構造のことです。筋繊維のなかには大きなグループと小さなグループがいるわけです。
そして小さなグループは遅筋線維、大きなグループは速筋線維のことを指します。
小さな運動単位=遅筋線維
大きな運動単位=速筋線維
これは重要なので覚えましょう。
つまり運動の最初の方は遅筋線維が使われて、それでまかないきれないと速筋線維を活用されはじめるわけです。
これは小さな負荷では遅筋線維しか鍛えられない、もしくは遅筋線維が疲労困憊になるまで使わないと、速筋線維が働かないということです。
逆に大きな負荷では速筋線維が最初から使われるので、効率よく筋肉が大きくなります。
具体的には大胸筋を大きくするなら、腕立て伏せを100回するより、ベンチプレスを10回3セット持ち上げるほうが、断然効率がよいのです。
コメントを残す