年齢と共に膝の痛みに悩まされている人は多くなります。その大半は前側の膝に水が溜まるなどの症状です。その中で膝の裏の筋に痛みを感じる人も多いようです。
膝の裏の痛みを訴える人はスポーツをする方に多く、膝の痛みを引き起こす可能性のある病気の一つに「鵞足炎(がそくえん)」が考えられます。
そこで膝の痛みと鵞足炎との関連について理解して起きましょう。
膝の裏の筋に痛みが、、それ鵞足炎かも?
膝の裏の痛みの原因は鵞足炎?
膝の内側には、ハムストリングや内転筋などの筋肉につながる腱が集中しています。腱が集まった状態を後ろ側から見ると、ガチョウの足のような形に見えることからこの部分を鵞足と呼びます。
鵞足炎は、鵞足部分に炎症が起こり、痛みを感じる症状のことです。鵞足部分の腱は、膝の曲げ伸ばしをするときに、腱と骨または腱同士がこすれます。特に、走りながら方向転換をするときに、こすれて膝の裏(鵞足部)に炎症が起こりやすくなり痛みます。
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どんな症状がでる?
膝の内側から膝下、膝の裏にかけて痛みや腫れが生じてきます。膝の曲げ伸ばしをした時、運動している時、患部を指で押した時、太もも裏の筋肉「ハムストリングス」の内側を伸ばすストレッチングをした時などに痛みます。
特に、膝をいっぱいにまで伸ばしたときに痛みが起こりやすいことや、階段の昇り降りに支障をきたすことが多いのが特徴です。初期は膝を動かした時のみ痛みますが、ひどくなるとじっとしている時にも痛みを感じるようになり、日常生活にも支障をきたします。
どんな人がなりやすい?
野球、サッカー、バスケットボール、ラグビー、水泳などのスポーツをやっている人は、発症しやすいです。
ランニングで脚を後ろに蹴り出す時、サッカーボールを蹴る時、急な方向転換を行った時などに特に膝に負担がかかります。これらの動作を繰り返すと発症しやすくなります。
膝の位置が悪いX脚(内股)などがある人は、ランニングで発症しやすいです。また、水泳の平泳ぎは鵞足炎を起こす典型的な動作といわれています。
その他にも、足の内側に重心がかたよるような間違った靴を履いている人、かかとの骨が内側に傾いている状態の人、衝撃を吸収できないアスファルトのような硬い地面の走行や重心がかたよる坂道の走行なども膝の裏の痛みの原因となります。
どうすれば楽になる?
・軽症の場合
膝を使う運動を控えて安静を保つことで、炎症が治まり数週間で自然と治ります。
・痛みが強い場合
安静を保ちつつ患部をアイシングしたり、シップなどの消炎鎮痛剤を使って炎症を抑えます。痛みが治まってきたら、鵞足部の筋肉のストレッチングやマッサージをして筋肉をほぐすと効果的です。
・重症の場合
痛み止めの注射や電気治療を行います。
・急性の場合
急に痛みが発生した場合は、患部を氷のうなどで冷やし、テーピングで固定するようにします。
・慢性化した場合
症状が長く続いて慢性化している場合は、患部を冷やしたり、固定・圧迫すると血行が悪くなり逆効果になります。患部を温め積極的に動かして血行を促進する方が良くなります。
再発を予防するにはどうしたらいい?
根本的な原因は、膝の使いすぎと間違った姿勢や動作フォームですので、改善することが鵞足炎の予防と再発防止に役立ちます。
- ひざの内側を伸ばす柔軟体操を意識して行いましょう
- スポーツをするときは急に運動量を増やさず、自分のレベルに合ったトレーニングを行い、疲労を感じたら十分な休養をとることを心がけましょう。
- 膝への負担を軽減するために、運動前後のウォームアップ、クールダウンはしっかり行いましょう。
- 普段から鵞足部や周辺の筋力トレーニング・ストレッチングを行い、筋力・柔軟性のアップを図りましょう。
- ジョギングやランニングは、できるだけ柔らかい土の地面や平坦な道で行いましょう。
- 走行時に膝が内側に入っていないか、かかとが外を向いていないか確認し、正しいフォームづくりをしましょう。
- X脚などの癖がある人や足の形が悪い人は、シューズの調整や足底板の使用によって重心のバランスを正常に保ちましょう。
- 靴のサイズは合っているか、十分な衝撃吸収力はあるか、足底が斜めになっていないか確認しておきましょう。
まとめ
スポーツで身体を動かすことは、ストレス解消にもなりますし、健康につながりますので、ずっと続けたいものです。
好きなスポーツを長年続けられるようにするためにも、普段から膝を痛めないように、ストレッチや柔軟体操、ウォーミングアップ、疲れを溜めないように心がけましょう。そして、鵞足炎は一度かかると再発しやすいので、焦らずじっくり治療しましょう。
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